Story
開発秘話
モノって、なぜ散らかるんでしょうね。モノって、なぜ片づかないんでしょうね。
ときめくか、ときめかないかで「捨てる」「残す」を区分けできる私物と違って、お仕事の書類や小物は捨てたくても捨てられず、上手く付き合っていくしかありません。整理整頓が苦手なみなさん、どうされてますか。職場で煙たがられていませんか。
誰でもデスクが片づき、仕事に集中できるワークツール「WORKERS'BOX」を発売するにあたって、ハイモジモジの松岡と松田が「なぜそれをつくったのか」を語り明かしました。
ほんと、この商品をつくるまではわたしたちも「お片づけ問題」が切実だったのです。
ハイモジモジ代表。ライター。「WORKERS'BOX」の販売・広報担当。どちらかと言えば几帳面。白と黒のモノトーンが好き。
グラフィックデザイナー。「WORKERS'BOX」の開発担当。モノを片づけるのは苦手だが、要らないものはすぐ捨てる。
【第1回】なぜモノは片づかないのか
【第2回】だからボックスをつくった
【第3回】自分自身が欲しかったから
【第4回】開いて閉じて、しまうだけ
【第5回】なぜ紙製にこだわったのか
【第6回】そして書類の住所ができた
松岡です。
松田です。
前回ちらっと話したけど、片づかないテーブルをふたりで共有してたら僕の心が悲鳴を上げまして、今は作業部屋をふたつに分けました。
家庭内別居みたいな。
さいですか。
で、そちらの部屋を覗くたびに「散らかってるなー」と思ってる。こっそり片づけてあげたい気持ちが、ふつふつとわいてくる。
片づけてくれていいよ(笑)
もしかして、昔からそういう感じ?
そうだよ。これ、前の前の会社にいたときのデスクの写真。
うわー。というか、なんでこんな写真が残ってるの?
わたしが会社を辞めるとき、みんながアルバムをつくってくれたんだよね。で、これは同僚の子が貼った写真。「松田さんのデスクはいつもこうだったよ」ってことで。
昔から変わってないやん(笑)
人間そうそう変わりません。
でもさ、あえて散らかってる方がクリエイティビティーが発揮されるって話も聞くでしょ?
知り合いにもそういう人いるよね。
だから自分も、散らかってる方が意外に快適だったりするの?
いや、不愉快だよ。
(笑)
とにかくわたしは、ちまちました作業が苦手なのね。分類して、ファイルに入れて、棚にきっちり並べるみたいなことが面倒くさい。
探した方が早いや、って感じ?
そう。たとえば人に仕事を教えるよりも自分でやっちゃった方が早いって人いるじゃん。わたしもそう。良くないのは分かってるけど、もういいや、目の前のことをやった方が早いって思っちゃうタイプ。お片づけも同じ。
なるほどね。たとえばGmailの検索って早いでしょう。あんな感じで、キーワードでさくっと探せるといいんだろうけど。
ほんとにそう。
でも実は僕、Gmailより昔ながらのフォルダ型のメールソフトが好きで。相手方を会社ごとにフォルダで分けて、受信メールも送信メールもまとめて入れてるから分かりやすくて。
振り分けるの、いちいち大変じゃない?
その煩わしさよりも、関連するものをひとまとめにパックする気持ちよさの方が勝るかな。
あ、それ!「関連するものをまとめる」のが、わたしもいいなと思ってて。
わたしが以前勤めていた会社は、たとえば見積書だったら見積書、請求書だったら請求書ごとに分けてファイリングにするのがルールだったのね。
書類ごとに分けるわけね。
そう。だから書類の整理ってそういうものだと思い込んで、自分も真似してみたんだけど、本当に面倒くさかった。細かく分けすぎなんだと思う。
よその会社は分からないけど、少なくともうちではそのやり方は、あとで参照しづらいなあ。
だからわたし、ひらめいたの。書類ごとじゃなくて「プロジェクトごと」にまとめたらいいんじゃん!って。
つまり、こういうことね。
そうそう!
同じ取引先でも、複数のプロジェクトが同時に動くこともあるもんね。会社単位はざっくりしすぎだから、やっぱりプロジェクト単位で書類をまとめちゃうのがいいね。
正直この方法をひらめいたとき、わたし頭いいなーと思った。
あの、世紀の大発明みたいなテンションで言ってるけど、プロジェクト単位で整理してる人、結構いると思うよ。
うそ!
『佐藤可士和の超整理術』にも書いてたからね、ひとつのプロジェクトに関するものはひとつの箱に全部まとめて入れあるって。
・・・知らなかった。
本に載ってた当時の可士和さんのオフィスでは、バンカーズボックスにもろもろ収納してたそうで。今は知らないけど。
へえ。でもそれはあれでしょ、終わったプロジェクトのものを保管するだけでしょ。
いや、必要となればフタを開けて、中から取り出すんだと思うけど。
それじゃ面倒くさいじゃん! わたしはバンカーズボックスみたいに大きい箱じゃなくて、机に並べておけるくらい小さいものがいいんだよね。いま動いてるプロジェクトの企画書とかデザインのラフ、あとは先方の名刺が数枚入る程度がいい。
ああ。
でも探してみたんだけど、そういうツールがまったくなかった。わたしが使いたいと思うものが。
子供ってオモチャをめっちゃ散らかすじゃん? だからこの前、いい収納がないかと思ってネット検索してたら、こんなプレイマットを見つけたのね。
へー、これは便利!
この上で遊んで、片づけるときは大きさとか種類の違うオモチャをがさーっと包めるんだよ。仕事の書類整理もこういう風にできないかなと思ったわけ。
なるほど!書類のサイズもすべてA4だけとは限らないからね。こまごまとしたものもあるだろうし。
でもさすがに袋で包むと書類が傷むから、考え方のベースはプレイマット方式で、何かこう、うまく書類を整理する方法がないかと考えたの。
簡単そうで難しそう。
そうしたら、自分の散らかった机に、たまたまこの箱を見つけたのね。
本みたいな形やね。これ、もともと何が入ってた箱?
これね、クッキーの箱なんだよ。「あ、そっか!」って、頭の中でつながった。
というと?
この中に色んな形のクッキーがバラバラに入ってたのね。特に仕切り板とかも無くて、ひとつの箱にまとめてがさーっと入ってた。
ほう。
しかもこの箱、本の形をしてるから机に立てられると思ったんだよね。
たしかに底が平面だから立つね。
そうなんだよ!この構造を活かせば書類をがさーっとまとめられるし、同時に進行してる複数のプロジェクト分、ぜんぶ机に並べておける。雑誌みたいにたくさん並べられる。
散らかったデスクで、思わぬ出会いがあったね。
ふふ。
で、それを踏まえてつくったのが、このボックスか。
そういうことです。
2024.5.27 update
2017.7.19 published
開発秘話