遊びたいひとが遊べる場をつくる
ノウト代表 高木芳紀さん
文具にまつわる面白そうなこと。そこに必ずいらしゃるのが、株式会社ノウトの高木芳紀さん。
お笑い芸人だいたひかるさんらとトークイベント「文具祭り」を開いたり、文具好きが集まる「文具朝活会」を何年も継続されるなど、文具界では知らない人はいない方です。
最近は天才ジオラマアニメーターMozu氏とともに取り組んだ「錯視トリックノート」などのオリジナル文具が、クラウドファンディングで連続サクセス中。
そんな高木さんが「WORKERS'BOX」を新プロジェクトのたびに使ってくださっている(なんて理想的な!)と聞いて、事務所を覗かせてもらいました。
高木芳紀さんプロフィール
愛知県出身。商社、老舗文具店を経て、現在は文具メーカー株式会社ノウト代表。「文具祭り」など文具にまつわるイベントを主催するほか、文具の専門家としてメディア等で活躍。『1秒で10倍稼ぐありえない名刺の作り方』『従業員7人の「つばめや」が成功した たった1年で5000万円売上げを伸ばす仕組み』『好きな人、いい仕事だけを引き寄せる!営業いらずのソーシャルメディア人脈術』ほか、著作多数。
遊び場を用意してくれるひと
― 高木さんとは「文具祭り」に登壇させていただいたころからのお付き合いですよね。
そうですね。
― 「文具祭り」って、どういう経緯で始められたんですか?
もともと2012年くらいに、仲間と本の朝活を主催してたんですね。集まったひと同士で、自分の好きな本を紹介しあう会。
― ええ。
ちょうどそのころ「ブクブク交換」という、同じような本のイベントが開催されていて、そちらに参加してみたんです。そうしたら、だいたひかるさんがお客さんとして会場に来られてまして。
― あの「どーでもいいですよ。」でブレイクされた、R-1グランプリ初代チャンピオンですよね。
それで、主催のテリー植田さん(後の文具祭り担当プロデューサー)を通じて紹介してもらって、当時勤めていた会社の名刺を出したら「えーっ、文房具屋さんと初めて会いました。わたし、本も大好きだけど文具も同じくらい大好きなんです」っておっしゃって。
― 実は文具が大好きな方なんですよね。発明家をめざして特許庁に通われたこともあるほどの。
それで「ブクブク交換みたいな文具のイベントやりたいですね」「やりますか」って、軽い気持ちで。
― そっか、だいたさんありきで始まったんですね。
ええ、最初からパートナーとして。しかも事務所を通さず、プライベートで。
― プライベート!
そうなんです。事務所を通してたら、いくらギャラを取られてたのか知らないけど(笑)。
▲左が高木さん。右がだいたひかるさん。
― 本の朝活もそうですけど、高木さんってイベントを主催するのがお好きなんですか?
参加するより主催するほうがラクじゃないですか。
― えっ、その発想はなかったです。だって、面白そうなことに乗っかったほうがラクって人のほうが多そうですし。
でもほら、今はFacebookでイベントページを立ち上げるだけだからラクですよ。
― いや、たしかにシステム面ではラクですけど、自分だったら「人が集まるのかなあ」とか心配が尽きません。
集客はあまり苦労したことないんですよ。ずっとSNSをやってきて、ネット友達が多いから。べらぼうにでかい規模のイベントは無理ですけど、ある程度は集まってもらえます。「文具祭り」もありがたいことに最初からほぼ満員でしたから。
― すごいなあ。「文具祭り」はお客さんがマイクを持ってステージで喋る、というスタイルが面白いですよね。
今はネットで誰でも発信できる時代だから、リアルでもそうなったら面白いかなあと。
― ああ。
本の朝活から発展させた「文具朝活会」もそうなんですけど、みなさん自分の番になると結構しゃべるんですよね。自分でしゃべるのが楽しいもんで、ヒートアップしてマイクを離さない。
― わかります。
「文具祭り」の1回目なんてすごかったですよ。18時に始まったんですが、終わったのはなんと23時頃。
― ははは。
「これ、いつ終わるんだ」みたいな。
― でも話を戻しますけど、主催するほうがラクって、面白いですね。高木さんは今、独立されて文具メーカーを立ち上げられて、クラウドファンディングに続々挑戦されてますけど、どこか通じるものがある気がします。
あ、そうかもしれないですね。
― クラウドファンディングってどこか支援者を求めて大きい声を張り合うようなところがあると思うのですが、高木さんのプロジェクトは「支援してくれー」みたいな押しの強さを感じなくて、まるで新しい遊び場をポンと置いてくれるような感じがあります。
ええ。
― こんなイベントやるんで、楽しみたいひとは楽しんでね。こんな商品つくったんで、遊びたい人は遊んでね、みたいな。
「場だけ用意しましたから、気に入った方はどうぞ」ってのが好きなのかもしれませんね。
クラウドファンディングが絶好調
― イベント主催を経て、最近は独立されてクラウドファンディングに挑戦されてます。
ええ。
― 最初のプロジェクトは「himekuri」でしたね。
「himekuri」はもともとパートナーのケープランニングさんが企画されていたデザインコンペで選ばれた作品だったんです。でも受賞当時は技術的な問題で実現できなかったそうなのですが、その後、作れる工場が見つかって。
― へええ。
それでモノクロの試作を見せてもらったときに「もっとかわいい柄で一緒にやりましょうよ」って声をかけて。
▲日付シートとしても使える日めくり付箋カレンダー
― それでクラウドファンディングを始められたと。いきなり300%のサクセスでしたね。
おかげさまで。
― その次のプロジェクトがMozuくんのノートでしたか。
「錯視トリックノート」ですね。
▲虹が立ってる!(ように見える)
▲19歳の天才クリエイターと一緒につくったノート
― これも支援の数がすごかったです。
いつもサクセスのラインを50万円に設定しているのですが、600%超えの達成率でした。
― すごい!
反響が大きかったので、ほんとはすぐに次のプロジェクトに移りたかったんですけど、そのフォローに追われちゃいましたね。ありがたいことですけど。
― クラウドファンディングってすごいんだなあ。
店頭で売る前から人前に見せられるので、非常にありがたいシステムですよね。
― たしかに。
販売する前からネット上で賑やかなので、気に入ってくださったお店のバイヤーさんのほうから「一般発売が始まったら、真っ先に仕入れさせてくれ」って声をかけてくれますしね。
― そっか、主催されている「文具祭り」には、バイヤーさんもお客さんとして来られてますもんね。
そうなんです。
― それに文具に関心の高いお客さんがもともと集まってますし、募集中のプロジェクトを紹介したら高い確率で支援者になってくれる。メディアとして機能する「場」を持たれてるって、やっぱりすごいです。
「やってて良かったな」って思いますね。「文具祭り」は何の気なしに、何の目的もなしにノーギャラでやってましたが、今では知り合いも増えて。
― 撒いていた種が芽吹いた感じですね。その後のクラウドファンディングでも、一度も失敗されてないのはさすがです。
いやいや、組むパートナーのおかげです。ハイモジモジさんこそ、クラウドファンディングやらないんですか?
― うちはどうですかねえ。非常勤でデザインを教えているお茶美(御茶の水美術専門学校)の教え子がクラウドファンディングに挑戦して、見事にサクセスしてるので、いよいよ失敗できないというか。失敗したら「先生スベってるやん」って生徒たちに思われそうで(笑)。
本棚にプロジェクトごとの箱
― ずっと気になっていた本棚を覗かせてもらっていいですか。
どうぞ。
― ご自身の著作も結構ありますね。
まあ、共著もありますしね。自分ひとりで書いたのは3冊です。
― 勉強家ですねえ。ほんとにいろんな本がある。
いやいや、買っただけの本もありますから(笑)。
― 棚の仕切りごとに、ジャンルもしっかり分けられてますよね。
まあ、なんとなくは。
― いやあ、人の本棚を見るのは楽しい。
恥ずかしいですけどね、裸にされてるみたいで。
― あ、使っていただいている「WORKERS’BOX」もありました。
― 全部で5冊ありますが、これ全部クラウドファンディングのプロジェクトですか?
そうです、プロジェクトごとに分かれてます。錯視トリックノート、himekuri、ブロッタ―、ノンブルノート。あ、himekuriは2年目のものがもう一冊ありますね。
― 背表紙はダイモですか?
そうですね、9mm幅で。
― タイトルを手書きするのはやっぱり抵抗ありますか?
あまり字が得意じゃないんで。表紙に手書きしたものもあるんですけど、やっぱり書かなきゃよかったなって。
― あ、でもカワイイ字じゃないですか。青いペンで書いてるのもかわいい。
そうですかねえ。
― これは「錯視トリックノート」の分ですね。
ええ。中にいっぱい入れすぎて、フタがふくらんでますけど。
― それで以前お会いしたときに「もっと厚みのあるものがほしい」って仰ってたんですね。
ええ。ただまあ、厚みなんてプロジェクトによっていろいろだから、リクエストしてもキリがないって、後になって分かりました。
― まあ、この厚み(2cm)に入らないものは捨てると決めるか、単純に2冊目を用意すればいいですしね。
そうですね。
― 中身は主に打ち合わせ資料ですか?
ええ。打ち合わせの内容って、放っておくと忘れちゃいますから。あとはモック(試作)の移り変わりをまとめて入れてあります。
この「錯視トリックノート」、当初はツバメノートみたいな糸が漉き込んである表紙でやりたかったんですけど、その後いろいろあって、今の形になりました。
― その完成に漕ぎつけるまでの「過程」がこの箱にぜんぶ詰まってるんですね。わ、こっちもすごい!
ああ、「himekuri」のCMYKですね。
― 付箋の色を決めるときに使われたんですね。
最初は僕が色を決めてたんですけど、カミさん(後にプロジェクトに参加される奥さまのおおきひろみさん)からすると、許せない点が多かったみたいで。
― といいますと?
「(日めくりカレンダーなのに)この季節にこの色を使うのはありえない」とか。
― ああ。
だからこうやって色の成分を書き出して、カミさんに修正してもらって、このシートをもとに色を決めていきました。カミサン、色の変態なので、CMYKの数字を見れば、どんな色調かわかるんです。
― この手のかさばる資料をしまえるのは、箱ならではですよね。
そう思います。
― もし「WORKERS’BOX」がなかったら、クリアファイルで保管されてましたか?
そうなってたでしょうねえ。
― 箱といえば、こっちの箱も気になります。これ、なんですか?
これはもともと「錯視トリックノート」が納品されてきたときの箱なんですが、同じサイズの箱がこんなにあるなら揃えて使ったほうがいいなと思って。「WORKERS’BOX」に入りきらない、もっとかさばるモックなんかはこっちに入れて保管してます。
― なるほど、こうやって商品ごとにラベリングして管理されてるんですねえ。素材もサイズも同じものでそろえると、ずいぶん統一感が出ますね。美しい。
いえいえ。
― 右下の「MEISHI」ってなんですか? これも商品?
あ、いやいや、これは単に「名刺」です。名刺交換でもらった名刺。
― ああ、なるほど(笑)。
独立する前のサラリーマン時代のころのものから全部取ってありますから。
― マメ!
― こちらの棚のファイルも、きちんと整理されてますねえ。
メーカーごとに色分けして、注文書の番号順に並べてるだけですけどね。
― 「WORKERS'BOX」はお片づけが苦手な人でも書類が片づく、という触れ込みなんですが、高木さんは「WORKERS'BOX」が仮に無くても、無いなりに工夫して整理されそうです。高木さんって、基本的にお片づけが上手ですよね。
でも、家のほうはぐっちゃぐちゃですけどね。
― え、意外です。なんで家と事務所じゃ違うんでしょう。
それはまあ・・・。
― ええ。
今はこの事務所は、僕がひとりで使ってますので。
― ええ。
でも近々、こっちの事務所に移ってくる予定なので。・・・カミさんが。
▲言いにくいことを言って苦笑いの高木さん
― あ、奥さまが苦手なんですね、お片づけ(笑)。
だからたぶん、この事務所も汚れていくと思う。家のほうも「こんなに散らかってていいの?」っていうくらいで。
― よく分かります、ハイモジモジ家もそうです。
まあでも本人、記憶力はいいので、どこに何があるかは把握してるみたいですけどね。
― それはいいですね。うちのひとは毎日「あれがない」「これがない」ってドタバタしてます。
ふふふ。
― 奥さまはイラストレーターさんですし、ご職業柄、紙を扱うことが多いんじゃないですか?
基本的にはデータで作ってますけど、たしかに手書きのスケッチは家のあちこちに散らばってますね。そしてそれを飼ってる猫がかじるという、地獄絵図のような状態(笑)。
― ははは。それはぜひ奥さまにも「WORKERS’BOX」を使っていただきたいですね(笑)。
― 今後もクラウドファンディングに挑戦されるんですか?
そうですね、やっていて楽しいですし。
― 今後のプロジェクトはいくつくらい控えてるんですか?
今やりたいなと思っているのは3つです。向こう1年分くらいはプロジェクトがありますね。
― それもこれまでと同様、パートナーと組んでやられると。
ええ。パートナーが未定のプロジェクトもありますけどね。
― めちゃくちゃ楽しみです。その際はまた「WORKERS’BOX」を活用してくださいね。
▲直近で300%達成したツートンカラーのノンブルノート
▲事務所のドアの下にこっそり、Mozuくん作のミニチュアドア
2024.5.27 update
2018.12.13 published
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