【徹底討論】

なぜモノは

片づかないのか

WORKERS'BOX 開発秘話



【第1回】なぜモノは片づかないのか
【第2回】だからボックスをつくった
【第3回】自分自身が欲しかったから
【第4回】開いて閉じて、しまうだけ
【第5回】なぜ紙製にこだわったのか
【第6回】そして書類の住所ができた





むかしから散らかってた



ハイモジモジ松岡 松岡です。


ハイモジモジ松田 松田です。


ハイモジモジ松岡前回ちらっと話したけど、片づかないテーブルをふたりで共有してたら僕の心が悲鳴を上げまして、今は作業部屋をふたつに分けました。


ハイモジモジ松田家庭内別居みたいな。


ハイモジモジ松岡おかげさまでこちらの部屋では快適に仕事ができております。






ハイモジモジ松田 さいですか。


ハイモジモジ松岡で、そちらの部屋を覗くたびに「散らかってるなー」と思ってる。こっそり片づけてあげたい気持ちが、ふつふつとわいてくる。


ハイモジモジ松田片づけてくれていいよ(笑)


ハイモジモジ松岡もしかして、昔からそういう感じ?


ハイモジモジ松田そうだよ。これ、前の前の会社にいたときのデスクの写真。






ハイモジモジ松岡うわー。というか、なんでこんな写真が残ってるの?


ハイモジモジ松田わたしが会社を辞めるとき、みんながアルバムをつくってくれたんだよね。で、これは同僚の子が貼った写真。「松田さんのデスクはいつもこうだったよ」ってことで。


ハイモジモジ松岡昔から変わってないやん(笑)


ハイモジモジ松田人間そうそう変わりません。


ハイモジモジ松岡でもさ、あえて散らかってる方がクリエイティビティーが発揮されるって話も聞くでしょ?


ハイモジモジ松田知り合いにもそういう人いるよね。


ハイモジモジ松岡だから自分も、散らかってる方が意外に快適だったりするの?


ハイモジモジ松田 いや、不愉快だよ。






ハイモジモジ松岡 (笑)


ハイモジモジ松田とにかくわたしは、ちまちました作業が苦手なのね。分類して、ファイルに入れて、棚にきっちり並べるみたいなことが面倒くさい。


ハイモジモジ松岡探した方が早いや、って感じ?


ハイモジモジ松田 そう。たとえば人に仕事を教えるよりも自分でやっちゃった方が早いって人いるじゃん。わたしもそう。良くないのは分かってるけど、もういいや、目の前のことをやった方が早いって思っちゃうタイプ。お片づけも同じ。


ハイモジモジ松岡なるほどね。たとえばGmailの検索って早いでしょう。あんな感じで、キーワードでさくっと探せるといいんだろうけど。


ハイモジモジ松田 ほんとにそう。


ハイモジモジ松岡でも実は僕、Gmailより昔ながらのフォルダ型のメールソフトが好きで。相手方を会社ごとにフォルダで分けて、受信メールも送信メールもまとめて入れてるから分かりやすくて。


ハイモジモジ松田振り分けるの、いちいち大変じゃない?


ハイモジモジ松岡その煩わしさよりも、関連するものをひとまとめにパックする気持ちよさの方が勝るかな。


ハイモジモジ松田あ、それ!「関連するものをまとめる」のが、わたしもいいなと思ってて。




プロジェクトごとにまとめよう



ハイモジモジ松田わたしが以前勤めていた会社は、たとえば見積書だったら見積書、請求書だったら請求書ごとに分けてファイリングにするのがルールだったのね。


ハイモジモジ松岡書類ごとに分けるわけね。


ハイモジモジ松田そう。だから書類の整理ってそういうものだと思い込んで、自分も真似してみたんだけど、本当に面倒くさかった。細かく分けすぎなんだと思う。


ハイモジモジ松岡よその会社は分からないけど、少なくともうちではそのやり方は、あとで参照しづらいなあ。


ハイモジモジ松田だからわたし、ひらめいたの。書類ごとじゃなくて「プロジェクトごと」にまとめたらいいんじゃん!って。


ハイモジモジ松岡つまり、こういうことね。






ハイモジモジ松田 そうそう!


ハイモジモジ松岡同じ取引先でも、複数のプロジェクトが同時に動くこともあるもんね。会社単位はざっくりしすぎだから、やっぱりプロジェクト単位で書類をまとめちゃうのがいいね。


ハイモジモジ松田正直この方法をひらめいたとき、わたし頭いいなーと思った。


ハイモジモジ松岡あの、世紀の大発明みたいなテンションで言ってるけど、プロジェクト単位で整理してる人、結構いると思うよ。


ハイモジモジ松田 うそ!


ハイモジモジ松岡 『佐藤可士和の超整理術』にも書いてたからね、ひとつのプロジェクトに関するものはひとつの箱に全部まとめて入れあるって。


ハイモジモジ松田 ・・・知らなかった。


ハイモジモジ松岡本に載ってた当時の可士和さんのオフィスでは、バンカーズボックスにもろもろ収納してたそうで。今は知らないけど。


ハイモジモジ松田へえ。でもそれはあれでしょ、終わったプロジェクトのものを保管するだけでしょ。


ハイモジモジ松岡いや、必要となればフタを開けて、中から取り出すんだと思うけど。


ハイモジモジ松田それじゃ面倒くさいじゃん! わたしはバンカーズボックスみたいに大きい箱じゃなくて、机に並べておけるくらい小さいものがいいんだよね。いま動いてるプロジェクトの企画書とかデザインのラフ、あとは先方の名刺が数枚入る程度がいい。


ハイモジモジ松岡 ああ。


ハイモジモジ松田でも探してみたんだけど、そういうツールがまったくなかった。わたしが使いたいと思うものが。




だからボックスをつくった



ハイモジモジ松田子供ってオモチャをめっちゃ散らかすじゃん? だからこの前、いい収納がないかと思ってネット検索してたら、こんなプレイマットを見つけたのね。





ハイモジモジ松岡へー、これは便利!


ハイモジモジ松田 この上で遊んで、片づけるときは大きさとか種類の違うオモチャをがさーっと包めるんだよ。仕事の書類整理もこういう風にできないかなと思ったわけ。


ハイモジモジ松岡なるほど!書類のサイズもすべてA4だけとは限らないからね。こまごまとしたものもあるだろうし。


ハイモジモジ松田でもさすがに袋で包むと書類が傷むから、考え方のベースはプレイマット方式で、何かこう、うまく書類を整理する方法がないかと考えたの。


ハイモジモジ松岡簡単そうで難しそう。


ハイモジモジ松田そうしたら、自分の散らかった机に、たまたまこの箱を見つけたのね。







ハイモジモジ松岡本みたいな形やね。これ、もともと何が入ってた箱?


ハイモジモジ松田これね、クッキーの箱なんだよ。「あ、そっか!」って、頭の中でつながった。


ハイモジモジ松岡 というと?


ハイモジモジ松田この中に色んな形のクッキーがバラバラに入ってたのね。特に仕切り板とかも無くて、ひとつの箱にまとめてがさーっと入ってた。


ハイモジモジ松岡 ほう。


ハイモジモジ松田しかもこの箱、本の形をしてるから机に立てられると思ったんだよね。


ハイモジモジ松岡たしかに底が平面だから立つね。


ハイモジモジ松田そうなんだよ!この構造を活かせば書類をがさーっとまとめられるし、同時に進行してる複数のプロジェクト分、ぜんぶ机に並べておける。雑誌みたいにたくさん並べられる。


ハイモジモジ松岡散らかったデスクで、思わぬ出会いがあったね。


ハイモジモジ松田 ふふ。


ハイモジモジ松岡で、それを踏まえてつくったのが、このボックスか。


ハイモジモジ松田 そういうことです。







第3回「自分自身が欲しかったから」




STORY

開発秘話

A4

なぜモノは片づかないのか

すべてはここから始まりました。発売当初にSNSを通じてたくさん読まれ、共感を呼んだ開発エピソード。

WIDE

まだモノは片づかないのか

幅広タイプもほしい事情がありました。およそ2年後に発売された「WIDE」の開発エピソード。

STAND

専用スタンドを作ってみたら

ブックエンドにもなる「STAND」の開発エピソード。開発担当のデザイナーがその経緯を語り明かしました。

MINI

なぜ名刺は片づかないのか

名刺は意外と片づかない。そんな問題意識から始まった名刺サイズ「MINI」の開発エピソード。

LINE UP