レシピと費用を大公開
WORKERS’BOXにぴったりの棚を作ろう
案件ごとに書類を整理できる収納ボックス 「WORKERS'BOX」。みなさん、どんな棚に並べてますか?
IKEAやニトリで買った棚? それとも、自宅に作りつけの棚?
「WORKERS'BOX」はA4サイズの書類がクリアファイルごと入るよう、A4よりもやや大きめ。A4規格ぴったりの棚だと収まらないことがあります。
そこで提案です。
「WORKERS'BOX」にぴったりの棚を、自作してみませんか?
ちょっとなに言ってるかわからない? 大丈夫です、全然難しい話ではありません。
なにせDIYのS級ライセンス保持者(Sは素人のS)であるハイモジモジの松岡が、わずか3時間ほどで完成させたからです。
今回はその作り方と、かかった費用もすべて公開します。
既製品の棚を買うより安価で、賃貸物件にお住まいの方でもOK。自分で家具を作る楽しさも味わえますよ。
こんにちは、ハイモジモジの松岡です。
最近、キャンプにハマってまして。おかげで道具が増えて、置くスペースがなくなって、自宅兼事務所が大変なことになってしまいました。
そこで目をつけたのが、仕事場の一部を持て余していた壁。ほとんど物置きと化していて、なんとかしたいと思っていたところでした。
そこで、せっかくなら「WORKERS'BOX」がぴったり収まる棚を用意して、キャンプ道具も一緒に収納したいと考えました。
ところが、このスペースにフィットしそうな収納ラックを手に入れるべく家具屋さんをあちこちまわったり、ネットでぐりぐり検索してみたものの、サイズ・デザインともに「これ!」ってものが見つからず。
そして、気づいてしまったのです。
「ないなら、自分で作ればいいのでは」と。
というわけでいきなりお見せしますが、こんな収納棚を自作してみました。
イメージ図
用意したもの
【1】 柱を立てる
【2】 ガチャ柱を取りつける
【3】 棚受を引っかける
【4】 棚板を載せる
【5】 有孔ボードを取りつける
【6】 完成
【7】 かかった費用
調子に乗ってもうひとつ
パーツの購入先リスト
イメージ図
「WORKERS'BOX」をずらっと並べて、キャンプ道具も収められる棚をDIYするにあたり、まずは頭の中に描いたイメージを紙に書き起こしてみました。
設計図とはとても呼べない概略図
重くてかさばるキャンプ道具は下段にまとめ、中段は仕事で使う書類と文具やガジェット類。
最上段はもしも地震で落ちてきても怪我しない、軽くてやわらかい寝袋を置くことにしました。
用意したもの
【2x4材】 3本
【2x4アジャスター】 3個
【ガチャ柱】 6本(90cm)
【棚受】 12個(25cm幅 / 左用&右用)
【棚板】 4枚(パイン集成材)
【ネジ】 36本
【有孔ボード】 2枚
【道具】ドライバー、電動ドリル、メジャー、ノコギリ、紙やすり、木槌
棚に必要な木材やパーツは、主にホームセンターで揃えました。足りないものは一部ネットで購入しました。
有孔ボードのみ、もともと事務所に備品として余っていたのでそちらを流用しました。
【1】 柱を立てる
さて、それでは実際に作り始めていきましょう。
今回の収納棚の基礎となる柱は「2x4」にしました。ツーバイフォーと読むのですが、ホームセンターで必ず売っている安価な規格の木材です。
このホームセンターでは1本598円(税抜)でした
もともとは厚みが3.8cmのツーバイ材ではなく、その半分1.9cmのワンバイ材でもいいかと思っていたのですが、やはり柱としての強度を考えてツーバイ材にしました。
紙はまとまるとけっこう重いですし、それらを支えるとなると強い負荷がかかりますから。
柱の長さはホームセンターのカットサービス(1カット30円)を利用して、部屋の天井高から7.5cm短くカットしてもらいました(なぜ7.5cmなのかは後ほど)。
ただ、部屋で測ったときにメジャーの目盛りを読み間違えていたようで、予定よりも長くなってしまってました。
なので結局、自分でノコギリでカット。3本切るのに小一時間かかってしまいました。
ギコギコギコ...
案外きれいにカットできました
一応、紙やすりでカット面をこすっておきました
ようやく柱の準備ができたので、位置を決めて部屋の中に立てていきます。
その際、柱の上下を突っ張って固定する「アジャスター」と呼ばれるパーツを利用します。
今回、利用したのは「LABRICO」というDIYブランドのもの。
他にもプラスチック製のものや、耐荷重が強化されたバージョンなどもありますが、どうしても「黒のアイアン」にこだわりたかったので、これにしました。
木に固定するネジが付属
中央の棒を回して天井に突っ張る
こんな感じで、計3本
天井高より7.5cm短い柱を用意する理由は、このアジャスターを取りつけるスペースを確保するため。
使用するアジャスターによって「何センチ分確保すべきか」が変わってきますので、他社のアジャスターを使いたい場合はパッケージ等をよく読んでみてください。
「LABRICO」以外だと、バネの力で突っ張る「ディアウォール」や、ジャッキ式の「ウォリスト」などがあります。
【2】 ガチャ柱を取りつける
棚の高さを自由に変えられる、通称「ガチャ柱」と呼ばれる素晴らしい鉄製パーツがあります。
等間隔に穴があいていて、そこに棚受金具を引っかける仕組み。「棚柱」とか「チャンネルサポート」とも呼ばれています。
ホームセンターに行けば白やクローム(シルバー)はたいてい見つかりますが、黒はあまり置いていないかもしれません。今回、行ったお店にはたまたま置いてあったのでラッキーでした。
もちろんネットでも手に入ります。
このガチャ柱を、先ほど立てた柱に付属のネジで取りつけます。
一応、柱の幅に対して中央に鉛筆で目印をつけて、ガチャ柱がちょうどセンターに来るように。
慣れない電動ドリルで手首が痛い
柱同士の間隔が等しくないのはご愛敬
ガチャ柱は短いものから長いものまであるのですが、床から天井まで届く長さ(約240cm)のものはさすがに見当たりませんでした。
とはいえガチャ柱は棚板をつけたい高さのところにあればいいので、今回は長さ90cmのものを2本、縦に並べました。
ただしガチャ柱同士を金具や何かでがっちりジョイントできるわけではないので、まっすぐ1本の線になるよう慎重に取りつけました。
【3】 棚受を引っかける
このガチャ柱の穴に、棚受と呼ばれる金具を引っかけます。棚板を下から支えるための金具です。
突起を穴に引っかけ、木槌で叩いて固定
上に載せる棚板の奥行きに合わせて、棚受のサイズもいくつか選べました(今回は25cm幅)。
また、右の柱、左の柱に対してそれぞれ「右用」「左用」があり、必要な数を揃えました。
メーカーによっては「中央用」の棚受もあるようですが、今回の「黒のガチャ柱と棚受」を販売しているメーカーは中央用がありません。ですので真ん中の柱に対しては「右用」または「左用」で代用してます。
そしてここが大事なポイントなのですが、ガチャ柱と棚受は必ず同じメーカーのものじゃないとダメです。
というのも、メーカーによってガチャ柱の穴の間隔や形状が異なるため、棚受が引っかけられなくなるからです。ご注意ください。
【4】 棚板を載せる
棚受の位置が決まったら、いよいよ棚板を載せていきます。
棚板はホームセンターで「パイン集成材」というのを4枚買いました。
木の種類は木目や色合いを見て、好みで選べばよいのですが、板の上に重いものを載せることになるので、反りの少ない「集成材」がおすすめみたいです(建築家の友達に教えてもらいました)。
サイズは幅182cm、奥行き25cm、厚さ1.8cmのものを選びました。部屋に対してちょうどいい感じのサイズが売っていたので、カットはしていません。
角は紙やすりで削ってもいいかも
別途購入したネジで棚板と棚受を下から固定
ネジも黒にこだわりました
キャンプ道具は重いものが多いので最下段(床の上)に置くとして、棚の高さは「WORKERS'BOX」にぴったり合わせました。
この時点では「WORKERS'BOX」を縦置きしてますが、棚と棚の間の高さを低めに抑えたくて、最終的には横向きで置くことにしました。
棚受を外して付け替えるだけで自由に棚の高さを変えられるのがガチャ柱のいいところ。
【5】 有孔ボードを取りつける
続いて、道具類を引っかける有孔ボードを2枚取りつけます。
有孔ボードは別になくてもよいのですが、見た目的にバランスがよくなります。
また、棚板の数を多くして収納量を増やしてしまうと、柱が重みに耐えられなくなる可能性があります。
(天井に突っ張っていたはずの柱が外れて、前に倒れてきます。大変危険です)
それに、壁一面がモノでびっしり埋まっていると、とたんに部屋が窮屈に感じます。あえて棚板を設けないスペースが上部にあったほうが、圧迫感がなくて良いかもしれません。
これは実際に作りながら気づいたことです。
2x4材の柱にネジで留めました
中央は柱の木が見えないよう左右ぴったりに
有孔ボードは以前、仕事で展示会に出展する際に使っていたものが余っていたので、ノコギリでほどよいサイズにカットして再利用しました。
ちなみに黒の有孔ボードはネットで買えますが、もしかしたらホームセンターには置いていないかもしれません。
今回使用したものは以前、白の有孔ボードに「黒板になるインク」を塗ったものです。なのでチョークで書くこともできます。
ワ、ワァオ!
【6】 完成
こうして3時間ほどかけて完成したのが、こちら。
最下段にはキャンプで使うイスやテーブル、ガスバーナー、エアマットなど、大きくてかさばるものをしまいこんでます。いずれ布でもかぶせて目隠しするかもしれません。
下から2段目は「THOR」のコンテナボックスに、同じくキャンプで使う小物たちをがさーっと入れています。「キャンプ関係はここ」と決めれば「あれどこいった?」と探す時間がなくてたいへん快適です。
そして下から2段目の右半分と3段目は仕事関係の書類を「WORKERS'BOX」でひとまとめ。すべて「STAND」に収めて、見た目もすっきりしました。
最後に、有孔ボードのスペースにはお気に入りの文房具、キャンプ道具、ガジェット類をディスプレイするように配置しました。
とにかく自分の好きなものだけ並べているので、精神衛生上とても良いです。ああでもない、こうでもないとレイアウト変更をするのも楽しい。
棚板の手前、余ったスペースはカウンターテーブルのようにも使えます。
ちなみに有孔ボードの穴に引っかけて道具を吊るせるフックは「amabro」のペグを使ってます。
フックにもいろんな種類やサイズがあり、吊るすアイテムによって使い分けてます。
【7】 かかった費用
今回、トータルでかかった費用はこちらです(2020.10.13 時点)
【2x4材】 1,974円(658円x3)
【2x4アジャスター】 4,884円(1,628円x3)
【ガチャ柱】 3,948円(658円x6)
【棚受】 4,992円(416円x12)
【棚板】 10,032円(2,508円x4)
【ネジ】 648円(108円x6セット)
※有孔ボードとペグは含まず
合計:26,478円
パーツはほとんどホームセンターで調達しましたが、一部ネットで購入したので高くついたものもありますし、逆にネットで安く買えたものもありました。差し引きしてもこのくらいの金額に落ち着くのではないでしょうか。
既製品の収納ラックで同じくらいのサイズのものを求めたら、もっと高いお買物になってしまうはず。
つぎこむお金を控えめにでき、なおかつ自分好みのサイズや見た目にできる。DIYって、最高ですね。
調子に乗ってもうひとつ
今回、自作した収納棚をSNSにアップしたところ、「格好いい!」「おしゃれ!」「作り方を教えてほしい」と大好評でした。
そこで調子に乗って、もうひとつ棚を作ることにしました。やるならとことん納得のいくオフィスにしたい、そう考えたのでした。
そうして、できあがったのがこちら。
こちらにはキャンプ道具は置かず、完全に仕事用。デザイナーの松田のための専用棚です。
進行中や完了したプロジェクトに関する書類はもちろん「WORKERS'BOX」に。過去にデザインした商品や、備品関係は下段のバンカーズボックスに詰めこみました。
また、前回作った棚からの反省点や改善点がもろもろ活かされています。
天井を痛めないようアジャスターとの間に当て木を
有孔ボードをミリ単位でカットして位置合わせ
薄い棚を追加して棚全体にリズム感を出す
そして、どうしてもやってみたかったのが、印刷やデザインの仕事には欠かせない竹尾さんの紙サンプル帳を、横にずらずらーっと並べる収納。
取り出しやすく、見た目もたいへんすっきりしました。
と、あくまで素人級のDIY術でしたが、いかがでしたでしょうか?
難しいことは何ひとつしていません。その筋でしか手に入らない特殊なパーツを使っているわけでもありません。
収納棚をDIYしてみたい方。「WORKERS'BOX」をしまう棚がほしい方。ぜひ真似してみてくださいね。
パーツの購入先リスト
最後に、今回使ったパーツや収納アイテムの調達先をリンクしておきますので、よろしければ活用くださいませ。
【2x4材】
最寄りのホームセンター
【2x4アジャスター】
LABLICO / アイアン ブラック
【ガチャ柱】
星川金属 / 長さ90cm
【棚受】
星川金属 / 幅25cm
【棚板】
最寄りのホームセンター
【ネジ】
八幡ねじ / トラスタッピング 黒 4x16
【有孔ボード】
アウトレット建材屋 / 黒 5φ-25P
【ペグ】
amabro / PEG HOOK Brass
【コンテナボックス】
THOR / 黒 22L
【紙製ボックス】
バンカーズボックス / A4 ふた付き
2024.5.27 update
2020.10.13 published